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前作との違いに驚いた『サイコブレイク2』レビュー【ネタバレあり】

サイコブレイク2ゲーム画面
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やっとクリアしました『サイコブレイク2』

前作のトラウマ級ホラーとはまた違い、今作は「探索して、気づいて、じわじわ怖くなる」…そんな印象の作品でした。

今回は主人公セバスチャンの「父としての想い」が物語の軸になっていて、ただ怖いだけじゃなく、感情に訴えかけてくるシーンも多かったです。

戦闘は前作よりも自由度が高く、ステルスやクラフト要素を活かしてじっくり進めることができるので、焦らず自分のペースで楽しめたのも印象的。

特に探索ががっつりできるチャプターと、ストーリーにぐっと引き込まれる場面の緩急が気持ちよくて、思わず時間を忘れてプレイしてしまいました。

この記事では、そんな『サイコブレイク2』を終えた今だからこそ語れる、前作との違いや魅力、プレイして感じたことを書いていきます。

ほづみ

サイコブレイク2はCERO Zの作品になります。想像以上にグロテスクなシーンがあるので、そこは注意です。

途中の感想はこちら

サイコブレイク2ゲーム画面
【サイコブレイク2】探索と戦闘の変化を感じて【途中経過】 サイコブレイク2を始めてから、気づけばチャプター14まで来てしまいました。 今回はまだクリア前の途中経過として、前作との違いや今...

前作との繋がりと、2への期待

『サイコブレイク2』を始める前、頭にあったのは前作の独特な閉塞感と、理不尽なまでの死にゲー要素でした。

謎が謎を呼ぶストーリーと、異形のクリーチャーたちに追われながら進むあの感覚は、トラウマと同時にクセになるものがあります。

正直「2」はどう変わっているんだろう?という興味と少しの不安がありました。

でも実際にプレイしてみると、その印象は良い意味で裏切られます。

前作よりも探索の自由度が高く、主人公・セバスチャンの感情に寄り添った描写が多くなっていて、ホラーという枠を超えて「人の再生」を描くような物語になっていました。

「今作はただのサバイバルホラーじゃない」

そう感じたのは、ほんの序盤のチャプターを終えたあたりでした。

ほづみ

チャプター2の終盤には、前作との違いに気づきます。

ゲーム全体の印象

『サイコブレイク2』を通してまず感じたのは、ゲーム全体に流れる『緩急』の巧さです。

オープンエリアを探索できるチャプターでは、じっくりと街を歩き回り、サイドミッションに取り組んだり、物資を集めたりと、自分のペースで進めることができます。

一方で、ストーリー主導のチャプターに入ると、急に視野が狭まり、逃げ場のない恐怖やイベントが畳みかけてきます。

この切り替えがとても自然で、飽きずに最後までプレイし続けられました。

恐怖の演出にも幅があります。

急に敵が飛び出してきて思わず声が出るような驚かされ方もあれば、誰もいない空間の静けさや、不穏な音でじわじわと緊張感を高めてくるような場面もあります。

ただビックリさせるだけでなく、「何かいるかもしれない…」という気配で精神的に追い込んでくるような演出が印象的でした。

前作のような狂気と混沌に満ちた世界観はやや薄まりましたが、その代わりに「人間ドラマとしての厚み」が強くなったように感じました。

ホラーゲームでありながら、どこか切なさや温かさも感じられる。それが『2』ならではの魅力だと思います。

ストーリーの見どころ・魅力

『サイコブレイク2』のストーリーは、前作での出来事を踏まえたうえで、主人公セバスチャン・カステヤノスの「父としての戦い」が描かれています。

ほづみ

ここが本当に感情移入してしまうポイントでした。最後まで楽しめたのは、セバスチャンの父親としての覚悟を見届けたかったからなのかもしれません。

行方不明となった娘・リリーを探して再びSTEMの世界に足を踏み入れる彼の姿には、ホラーゲームの主人公としては珍しいほどの人間味がありました。

序盤はまだどこかミステリー寄りで、登場人物たちの真意もつかめず、「何が正しいのか?」と悩む場面も多かったのですが、物語が進むにつれて少しずつ明かされていく真相と、それに向き合うセバスチャンの葛藤が心に残りました。

とくに印象的だったのは、敵として立ちはだかるキャラクターたちの描写です。

「ステファノ」や「セオドア」といった人物たちは、単なる悪役ではなく、STEMという異常な世界の中で自らの信念や狂気を貫いています。

ステファノの狂い方は好き

彼らの背景や目的が語られることで、敵でありながらどこか同情や理解を感じてしまう場面もありました。

仲間だったのに敵になってしまった「オニール」も背景を考えると、攻めきれない部分もあります。

また、娘・リリーとの関係性や、過去の自分にけじめをつけようとするセバスチャンの成長も物語の軸として機能していて、「怖さ」と「感情」がうまく同居している物語だと感じました。

ホラーの中にある「救い」や「再生」を描いている点が、本作ならではの魅力だと思います。

戦闘・難易度・システム面で感じたこと

『サイコブレイク2』の戦闘は、前作と比べてかなりバランスが取れていて、個人的にはちょうど良い難易度でした。

まず感じたのは、「回復アイテムが比較的多く手に入る」という点。

前作では回復手段が非常に限られていて、被ダメージの重さと相まってとにかく慎重に進めざるを得ませんでしたが、今作では草むらなどに生えている薬草や、回復アイテムが探索で手に入りやすくなっており、リスクはあるけどちゃんと備えることができるバランスになっていました。

ただし、その分敵の攻撃力は高めに設定されていて、油断すると一気に体力を持っていかれます。特に特殊な動きをする敵や、急に囲まれる状況では焦りがちなので、「回復はできるけど、そもそも喰らわないようにしないと危ない」という緊張感が最後まで持続していました。

また、戦闘スタイルとしてステルスがとても重要で、「いかに音を立てずに近づいて倒すか」が攻略のカギになります。

草むらに身を潜めて敵の動きを読む時間や、ボルトの選び方・使い方によって状況をひっくり返せる感覚は、「自分で生き延びている」という実感を強くしてくれました。

前作ではなかった発見の機能も優秀で、セバスチャンが敵に見つかってるかどうかが、視覚的にわかるようになっています。

画像の上にある目が発見アイコンです

クラフト要素も前作以上に活用しやすくなっており、拠点での準備や、現地での即席クラフト(弾薬など)の選択が、プレイヤーの戦略に深みを与えていたと思います。

ほづみ

僕の場合は回復がめちゃくちゃ余りましたが、弾薬はカツカツでした。
出会った敵は全員倒してたので、もっと隠密に力を入れるべきだったのかもしれません。

全体的に「緊張感」と「準備の自由度」がちょうどよく、サバイバルホラーとしての楽しさをしっかり味わえるゲームバランスでした。

印象に残ったシーンや演出

『サイコブレイク2』はホラーゲームでありながら、「静と動」のメリハリが効いている作品でした。

驚かせる演出ももちろんあるんですが、それ以上に『じわじわと不安が染み込んでくるような恐怖』が印象に残っています。

個人的にもっとも印象深かったのは、ステファノのアート空間です。

ステファノのアート空間

不気味な照明、無音の中に響く足音、そして動きを止めた死体が「芸術作品」として飾られている狂気の世界。

この空間を歩く時は、まるで自分もその世界の一部になってしまったかのような没入感があり、ホラーとしてのセンスが光っていました。

また、セオドアとの対決に向かう過程では、セバスチャン自身のトラウマや後悔が強く浮かび上がってきます。

セオドアとの対面
セオドアとの対面シーン

視覚的にも心理的にも追い詰められる演出が続き、プレイヤーは彼の内面にある「逃げたかった現実」や「目をそらしてきた痛み」と直面することになります。

特に、家族に対する後悔や、自分の選択がもたらした結果に対する自責の念など、セバスチャンの心の闇をビジュアル化したような演出が印象的でした。

このパートでは、ただ敵を倒すというよりも、「自分の過去と向き合うこと」がメインテーマになっていて、ホラーでありながらも物語性が際立っていたと感じます。

ほづみ

中でも印象的だったのは前作のボス達が出てくるシーンです。まるで追体験をしてるような感覚で、綺麗なグラフィックになった彼らを見れるのは個人的に最高でした。

終盤になるにつれて、「ただのサバイバルホラー」から『父親としての物語』へと軸が移っていく演出の流れも、非常に丁寧で自然です。

STEMという非現実な舞台を使いながらも、描かれるのは人間のリアルな感情。そうした演出の重なりが、この作品に深みを与えていたと感じます。

前作との違いや続編として感じたこと

『サイコブレイク2』は前作と比べて、ゲームデザインや物語のアプローチがかなり変化しています。

まず大きな違いは、ゲーム全体のテンポと構成です。

前作はひたすら不条理な恐怖とグロテスクなビジュアルでプレイヤーを押し潰すような作風でしたが、今作では「探索」と「進行」のバランスが非常にうまく調整されていました。

特にチャプター3や7のようなセミオープンな探索パートでは、プレイヤー自身のペースで回れる余裕があり、サイドミッションや隠し要素をこなす楽しさも加わっています。

ほづみ

サイドミッションも程よい量で、達成することで攻略が楽になるので、こなしていくのが楽しかったです。

一方で、ストーリーをグッと進めるチャプターでは緊張感やスピード感が強調され、飽きさせない構成になっていました。

戦闘面でも大きな変化があります。

前作では「リソースが常に足りない」という極限状態でのサバイバルが印象的でしたが、今作は回復アイテムが比較的手に入りやすく、その分敵の攻撃が重いため、リスクとリターンのバランスがちょうど良い塩梅になっています。

戦闘スタイルもステルス・正面突破・罠の活用など多様性があり、プレイヤーの選択によって難易度が変わる感覚がありました。

武器の種類が豊富で自分のプレイスタイルで使い分けることができる。
ほづみ

正面突破は弾薬が多い時は本当に楽しいです。特にスモークボルトを強化した時はゴリ押しが効くようになります。

物語面では、主人公セバスチャンの「救い」がテーマになっており、彼個人のストーリーがより掘り下げられた印象です。

前作は多くの謎と陰謀が渦巻くカオスな世界でしたが、今作はセバスチャンという一人の人間の視点を通して、より感情的な物語が展開していきます。

結果的に、ホラーゲームでありながらも「人間ドラマ」としても成立している、そんな作品に進化していたと感じました。

総評とおすすめポイント

『サイコブレイク2』は、前作の持つヘビーで不条理なホラー要素を受け継ぎつつも、「遊びやすさ」や「物語性」を強化した作品でした。

とにかく印象的だったのは、プレイヤーのペースで進められる自由度の高さと、心に残るストーリー

探索をしっかりすればするほど物語の背景が見えてきたり、キャラクターたちの人間性が垣間見えたりと、探索と物語の密接なつながりが魅力的でした。

特に、セバスチャンが父として自分の過去と向き合い、悩みながらも前に進んでいく姿には、プレイヤーとしても心を動かされるものがありました。

一方で、ホラー演出はしっかり怖いし、戦闘の緊張感も健在。

弾薬の管理やステルスでの立ち回りなど、試行錯誤の面白さも残されています。

「ホラーは苦手だけど、ストーリー重視のゲームなら挑戦したい」という人にもおすすめできるバランスの作品です。

前作をプレイしていると、細かなつながりや意味深な演出にテンション上がる場面もありますが、今作からのプレイでも十分楽しめる構成になっているのも大きなポイントです。

ほづみ

今作から始めると前作の操作感が辛いとは思うんで、時間のある人は「サイコブレイク」から始めるのがおすすめです。

ホラーゲームにありがちな「やらされてる感」ではなく、自分で世界を歩いて、自分で進んでいく感覚を大切にしている今作は「怖さの中にある人間らしさ」や「ゲームとしての面白さ」を、しっかりと感じさせてくれる一本でした。

サイコブレイク2
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