「ラスト・オブ・アス」は、ただのサバイバルホラーゲームではありませんでした。
感染者との戦い以上に、人とのつながりや別れのほうが、ずっと心に残る作品です。
はじめはなんとなく手に取ったこのゲームが、気づけば僕の中で「忘れられない物語」になっていました。
今回は、ゲームをプレイした事のない方にも伝わるように、できるだけネタバレを控えつつ、この作品の魅力を語っていきます。
ゲームの基本情報

『The Last of Us(ラスト・オブ・アス)』は、2013年にPlayStation 3向けに発売されたアクションアドベンチャーゲームです。
舞台は、感染症によって文明が崩壊したアメリカ。プレイヤーは、主人公ジョエルとなって、ひとりの少女・エリーとともに旅をします。
敵との戦闘やステルスアクションもありますが、なにより心をつかまれるのは人間ドラマとしてのストーリー。
ただのサバイバルホラーでは終わらない深さがあります。
また、本作はその後、画質や操作性が向上したリマスター版(PS4)や、グラフィックと演出を一新したリメイク版『The Last of Us Part I』(PS5/PC)も登場しています。
リメイク版は、PS5の性能を活かし、よりリアルで美しいグラフィックや、直感的な操作性、DualSenseコントローラーの機能への対応など、最新技術を駆使して再構築されています。
僕が初めてプレイしたのはPS4のリマスター版でした
初めてプレイする人も、今からでも快適に楽しめるようになっているのも嬉しいポイントです。
初見プレイの印象

プレイを始めたばかりのころは、「感染者と戦う、よくある終末ものかな?」という印象でした。
でも実際にジョエルとエリーの旅を追いかけていくと、戦いよりも“人間の感情”のほうがメインなんだと気づかされます。
ステルスで敵を避けたり、限られた資源を工夫して戦ったりと、ゲーム部分も緊張感があるのですが、それ以上に引き込まれたのはキャラクターたちのやりとりや、旅の中で起こる出来事でした。
「この人、もっと見ていたかったな…」と思うようなキャラとの出会いや別れが、心にじわっと残っていきます。
クリア後、「これはホラーゲームというより、物語を“体験する”ゲームなんだな」と思うようになりました。
心に残った「別れ」の描き方

このゲームは「別れ」から始まります。
ゲームの始まりは感染者がいない日常から始まり、主人公のジョエルは大切なものを失います。
プレイヤーにとっても強烈な体験になりますが、それ以上に、ジョエルという人物の深い傷と、それが物語全体に与える影響を示す場面でもあります。
あの別れがあったからこそ、ジョエルは人との関わりを避け、心を閉ざすようになりました。
でも、エリーとの旅の中で、少しずつその頑なな心がほどけていきます。
最初はただの「任務」だったはずなのに、気づけばエリーは、彼にとってかけがえのない存在になっていきます。その変化もまた、この物語の見どころです。
そして旅の途中にも、いくつもの出会いと別れがあります。
一緒に過ごす時間は短くても、その人の「想い」や「生き様」がしっかり描かれているからこそ、別れがただのイベントで終わらず、プレイヤーの中に静かに残っていくんです。
感染者との戦いよりも、人との関係が心を動かす。
『ラスト・オブ・アス』という作品は、そんなふうにしてプレイヤーの感情に寄り添ってくるゲームだと感じました。

全体を通して感じたこと

クリアしたあと、ずっと胸に残っていたのは、エリーの言葉でも、ジョエルの決断でもなくて、「人って、こんなにも誰かを想えるんだ」という気持ちでした。
破壊された世界の中で、あきらめずに誰かを守ろうとする姿が、すごくリアルで、どこか優しくも感じたんです。
物語は決して明るくないし、ハッピーエンドとは言いづらい部分もあります。
でもだからこそ、「きれいごとでは語れない生き方」や「誰かを選ぶことの重さ」が心に刺さります。
見終わった映画の余韻のように、プレイ後もずっと考え続けてしまう。
そんなゲームって、そう多くはないと思います。
『ラスト・オブ・アス』は、ただのアクションゲームじゃなく「感情に訴えかけてくる物語体験」でした。
まとめ:『ラスト・オブ・アス』は心に残る物語体験

『ラスト・オブ・アス』は、ただのアクションやサバイバルホラーゲームを超えた、“人間の絆”や“選択の重さ”を深く描いた物語体験です。
ジョエルとエリーの関係性をはじめ、登場人物たちの喜びや悲しみ、葛藤がリアルに感じられ、まるで映画を観ているかのような没入感を味わえます。
このゲームが特別なのは、ただ敵を倒すだけではなく、「守りたいもののためにどう生きるか」というテーマが心に刺さるところ。
終末世界の厳しい現実の中で、プレイヤー自身も何度も考えさせられ、感情の揺れ動きを体験できます。
こんな人に特におすすめ
- 物語の深さやキャラクターの心情にじっくり浸りたい人
- 重くてもリアルな人間ドラマが好きな人
- プレイ後にずっと余韻が残るゲームを求めている人
- サバイバルホラーの世界観と感動を両方味わいたい人
一度プレイすると、物語の余韻がいつまでも心に残り、ゲームの持つ「可能性」を強く感じるはずです。
まだ未プレイの方は、ぜひ最新のリメイク版でこの名作を体験してみてください。
ただのゲームの枠を超えた、心揺さぶる物語が待っています。